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ナースのオフタイム
vol.19 コミュニケーション上達のカギ「アサーション」
ストレスの原因はコミュニケーション不足?

 1日の仕事が終わった後に、自分の気持ちがイライラしていることはありませんか?
 毎日の勤務時間中、忙しい時に限ってドクターから急用を頼まれたり、患者さんからお願いをされてしまうもの。「こんなに忙しいんだから、ちょっと待ってよ」といいたい気持ちをグッとこらえ、ついつい仕事を引き受けてしまうと、忙しさはピークに達してしまいます。こんなことが何度も続くと、ひとつひとつの仕事を丁寧にできなくなり、ストレスを溜め込んでしまって時には感情的な言葉を発してしまいそうになることも。そうならないためには話す相手にもしっかり配慮した上で、自分の「思い」を伝えることが大切です。
 今回の「ナースな部屋」では、そんな自分の意見や考え方をしっかりと伝えるためのコミュニケーション法を紹介します。

すべての依頼や要求を抱え込んでしまわない

 患者さんの看護とドクターのサポートをするナースの仕事は、「誰かの援助」が主な仕事になるため、なかなか自分自身のペースで仕事を進められません。さらに、緊急の対応が必要なことも多く、ひとつのミスが生命に関わる事態になりかねません。
 そんな気を抜けない状況で、ドクターの指示や患者さんからのお願いを次々に受けていると、すべての要求に応えきれず、体力や能力の限界を超えてしまいます。
 自分の限界を超えて仕事をしていると、ストレスを抱え込んでしまい、患者さんやドクターに対して感情的な言葉を発してしまう恐れがあるだけではなく、医療ミスを引き起こしかねません。
 そんなときには、ただ拒否するのではなく、自分の限界を見極めた上で自分の意見や考えをしっかり主張し、どのように対応していくべきなのかといった建設的な話し合いをする必要があるのです。「自分の考え、欲求、気持ちなどを率直に、正直に、その場の状況にあった適切な方法で述べる」=アサーティブ(assertive)なコミュニケーション法を身につけることができれば、ストレスを溜め込むことなく、よりよいチーム医療につながるでしょう。

スムーズに自己表現をするために

 DESC法とは、問題を解決する時にD・E・S・Cのステップを踏むことで、自分の意見を主張しながら相手の意見にも耳を傾けることができるコミュニケーション法。このステップに従って話していくことで、問題となっている状況を確認し、自分の感情を伝えた上で、改めてほしい事柄を提案し、その提案に対してお互いが歩み寄っていくことができます。こういった話し合いをする時のポイントは、相手の「断る権利」と自分の「頼む権利」の両方を大事にすることです。

describe(描写する)
↓ まず自分と相手、双方が納得できる土俵に乗るため、話し合いの前提条件を整えます。自分が対応しようとする状況や相手の行動を“客観的・具体的な事実”として相手に伝え、状況をお互いに理解できるようにします。
ここで大切なことは、自分の意見や感じたことを述べるのではなく、“客観的・具体的な事実”だけを話すことです。
D(客観的な事実)とE(自分の気持ち)を明確に分ける
express,explain,empathize(表現・説明・共感する)
↓ 次に自分の気持ちや心理的状況を相手に理解してもらうため、その状況や相手の行動に対して自分がどのように感じたのかという気持ちを“できるだけ冷静に、明確に”伝えます。
ここでは、「あなたのせいで自分はこんなに苦しんでいる」などと相手を非難してはいけません。大切なことは自分の気持ちを相手に理解してもらうこと。ですから、「あなたはとても大変そうなのですが〜」などの言葉を前置きした上で、「私は〜です。」といった言い方を心掛けましょう。
specity(特定の提案をする)
↓ 次は相手にしてほしいこと、改めてほしいことを伝えます。これは命令ではなく、“提案”として伝える必要がありますから、「〜していただけませんか」「〜してもらえませんか」という言い方にしましょう。
また、この提案は相手が受け入れやすいものにするために、その場ですぐにできる内容に限定します。ですから、「禁煙してもらえませんか」ではなく、「今この場でだけ、煙草をやめてもらえませんか」という言い方になります。
断られた時にどうするのかをあらかじめ考えておく
choose(選択する)
Sで提案したことは、相手が受け入れてくれる可能性と拒否される可能性があります。まず、この2つの可能性があることを想定し、両方のケースに対して自分の返答を用意しておきます。
相手が自分の提案を受け入れてくれたら、「ありがとうございます」などのお礼をいえば解決です。もし拒否をされた場合は、ひとつ目の提案に執着するのではなく、より受け入れてもらいやすいと考えられる次の提案をします。

※全体的に「ナースのためのアサーション」を参考にしております。引用箇所は上記のDESC法で、書籍ではP88〜90の箇所をまとめています。

より詳しくアサーションを勉強したいナースのために
患者さん・ドクター・同僚ナース・医療チームなど、想定されるさまざまな医療現場の事例を設定した「アサーティブ」な対応方法やアサーション・トレーニングの実践方法を紹介してくれる「ナースな部屋」のおすすめ本。
アサーション・トレーニングは、研修の一環として取り入れている医療機関も年々増えているらしいから、ぜひチェックしてください!
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